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2024.11.16

20年先をゆく男

「 ちっちゃいなお前 」

「 ちっちぇー、ちっちぇー!笑 」

20数年前の学生時代、私の一番の親友は

度々こうやって私の発言や態度を

笑い飛ばしてくれていました。

私が

怒ったり、悲しんだり、困ったり、

妬んだり、やっかんだり。

寂しがったり、イライラしたり、恥じたり。

(今日はらじばんだりは言わない約束)

とにかく20歳くらいの私が

そういった負の感情に陥り、

後ろ向きな発言や顔を見せようものなら

学年は同級だが一つ年上だった

その大親友は、いつも私を笑い飛ばして

背中をたたいてくれていました。

しかしながら20歳そこそこ時の私など、

本当の本当にただのクソガキ。

何者でもなく、何一つ成し得てもおらず。

そのくせ自信と自尊心の塊。

控えめに言っても

クソみたいなガッキーでした。

なので当然その親友が

屈託なくかけてくれる言葉

そんなちっさいこと気にすんなよ、が

なんだか自分を馬鹿にされているように

感じてしまい

「 じゃあ、

お前はどんだけ大きい男なんだよ!?」

なんて言葉を吐き捨てたり、

重ねて拗ねたような態度を見せたり。

今の自分から考えれば相当に気持ちの悪い、

大人にも男にもなりきれていないような

只のあかんたれ。

でも彼はそんな私に少々呆れながらも、

いつも最高の笑顔と共に

私に己の小ささを気付かせてくれようと

一緒に学生生活を駆け抜けてくれました。

あれからもう25年。

当時はしょうもない男同士の対抗心から

彼に心からの感謝を述べるような度量を

私は持ち合わせておりませんでしたが、

この歳になって時おり

彼のセリフと笑顔が頭に浮かび、

自然と私も「 ちっせー、ちっせー 」と

己を鼓舞していることに気付きます。

そのたびに少しばかりの照れくささと、

彼の人間としての器の大きさに

今さらになって感服しております。

思えば当時の私は、一つ年上だった

その親友に甘えていたのでしょう。

実の兄弟の中では長男だった私にとって、

心のどこかで勝手に自分の兄貴なんだと

気付かない内に頼っていたんだと思います。

45歳になって今、ようやく過去の自分の

小ささを認められるようになった私と、

20年以上も前から私の小ささを叱咤し

少しでもまともな人間にしてくれようと

鼓舞してくれていた親友。

認めざるをえないよ。

人にやさしくされた時、自分の小ささを知りました。

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